事務所トピックス
葵法律事務所

先日、当事務所で引き受けたある医療事件で、証拠保全に行ってきました。
申立自体は今年の春先に行っていた事件なのですが、その後、コロナによる緊急事態宣言の影響で、手続がストップしてしまい、申立から5か月近くが経過して、やっと証拠保全期日が実施されたわけです(通常は申し立てて1~2ヶ月以内には期日が入りますから、やはり異常事態ではあります)。
というわけで、コロナ状況下における証拠保全に関するご報告です。

コロナウイルス感染の広がりによって、最も重大な影響を被っているものの一つが医療機関であることはいうまでもありません。
個々の医療機関で実情に応じた対応を取っておられるわけですが、正直、患者の家族が見舞いに訪れることも制限されているところも多く、抜き打ちで実施する以上、当日、行ってみなければスムーズに進められるかどうかの予測がつかなかったりするわけです。
とはいえ、証拠保全は一発勝負ですので、事前のホームページのチェック、依頼者への確認などの下調べは、平常時よりは慎重に行っておかなければなりません。
それでも無事に証拠保全手続を終えることができるかについて、不安を抱えつつ臨むわけで、行く前から普段とはちょっと違う緊張感がありました。

その不安は出だしでいきなり的中します。
まず建物に入る時点で、ちょっとしたトラブルに見舞われたのです。
コロナ感染対策ということで、まず、病院の入り口で検温を受けるわけですが、なんと裁判官とカメラマンで来てくれた弁護士の体温がいずれも37度を超えていたのです。
2人ともだるさなどまったくないのですが、いきなり足止めです。
結局、普通の体温計を持ってきて正確に測り、最終的には37度を下回っていたことが確認できたので、無事手続には入れたのですが、もし、何度測っても37度以上であれば、証拠保全ができなくなっていたかもしれません(特に裁判官については、手続の主体ですから、完全にアウトだったでしょう)。
おそらく、この日は異常に暑かったので、開始前に外で待機している間に軽い脱水のような状況になっていたのではないかと思いますが、この足止めによって、初っ端からコロナおそるべしとなったわけです。

その後の手続でも、コロナの影響は続きます。
私たちが入れられた部屋には窓も何もなかったのですが、基本的にそこから出ないように、院内を移動しないようにと求められました。
続いて、作業の途中で、CT等の画像の存在が明らかとなり、それは別の場所のコンピューター内に保存されていることが明らかとなったのですが、こうした場合、通常であれば、そのコンピューターの設置してある部屋に行き、その場で操作してもらい、すべてのデータの出力を確認する手順となります。
しかし、別室への移動は避けてもらいたいとの要請があったので、それを受け入れ、医療側を信頼し、とりあえず、データをダビングしてもらうということで納得しましたが、これもコロナの影響ということになります。
もちろん、今回の事件では、画像データはさほど重要ではなかったので折り合ったわけで、もし画像が決め手の事件であれば、コンピューター本体を確認させてもらうよう強く求めたはずですが、とにかくいろんなところで通常とは違う事態に遭遇します。

今回の証拠保全で、最も支障があったのは、最後の場面で、事故が起きた部屋の内部の看視状況を確認しようとしたときのことでした。
医療側からは、不特定多数が出入りする場所なので、室内に入ることは遠慮してもらいたいと求められました。
そのため、部屋の入り口からの撮影となったのですが、奥行きのある部屋なので、内部の状況を正確に確認することはできませんでした。
事故が起きた当時とは室内の状況も変わっているという説明もあったので、それ以上固執することはしませんでしたが、ちょっと残念なことではありました。
しかし、事件のことは別として、医療現場が大変な状況にあることは、今回の手続でもひしひしと実感させられました。

実は、現在準備中の証拠保全案件もあるのですが、コロナの影響はまだまだ長引きそうで、事案の内容や保全の対象物によっては、保全手続に重大な支障が生じて、最悪、保全執行が不能となる可能性がないとも限りませんので、今の時期は、申立のタイミングも含め、慎重に準備、検討しなくてはならないと強く感じた次第です。

2020年08月17日 > トピックス, 医療事件日記
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