事務所トピックス
葵法律事務所

葵法律事務所の弁護士の日々の活動の中から、裁判、交渉、その他日々の業務の中で起きた出来事について、得たこと、感じたことを綴る不定期掲載の日記です。

多少は愚痴めいたお話も出て来るかもしれませんが、できる限りポジティブに取り上げて行きたいと思っています。

もちろん、記事を書くにあたっては、何よりも依頼者の方の利益、プライバシーに対する配慮を怠ることはできませんので、どうしても抽象的な表現となることはご了解ください。

〇月✕日

ここのところ、なぜか個人再生事件を立て続けに受任しました。

個人再生とは、民事再生手続の特則として設けられた制度で、特に住宅ローン付きの不動産を持っておられる多重債務者の方の場合、住宅ローン以外の債務を圧縮して3年もしくは5年で分割返済をするという再生計画を裁判所に認可してもらえれば、その計画にしたがった返済をすればよいというものです。

この個人再生という手続はなかなかよく出来ていると思うのですが、それは破産するよりもそれぞれの当事者にとってメリットをもたらすからです。

つまり、まず、住宅ローンの金融機関にとっては従前どおり住宅ローンが支払われるということで、破産となり、不動産が処分されてしまうよりも債権回収という意味でメリットがありますし、その他の債権者にとっても、破産であれば債権がまったく回収できなくなるのに対し、何分の1でも回収できることになるわけです。

また、申立をする依頼者にとっては、破産であれば住み慣れた不動産を手放さなければならなくなりますが、個人再生ならば不動産を持ち続けることができます。

もちろん、住宅ローンは払い続けなければいけませんが、不動産を手放した場合は借家で賃料を払うことになるわけですから、それとの比較で見ても大きなメリットがあるといえます。

 

しかし、この個人再生にも、当然のことながらそれを認めてもらうための要件がありますし、仮にその要件をクリアできるとしても、経済的にほとんどメリットがない場合もあります。

ですので、弁護士としては、相談段階で、まず申立の要件をクリアしているかを検討しなくてはなりませんし、それに加えて、依頼者の資産状況等を確認して、個人再生の申立をするメリットがあるか否かを検討してあげなくてはなりません。

今回受任した個人再生事件の中に、申立の要件のハードルが非常に高いものがありました。

それゆえ、申立までに調査、検討に相当な時日を擁しましたし、金融機関との調整も必要となりました。

申立後も、裁判所から追加で調査と回答を求められてしまい、相当四苦八苦しましたが、このたびやっと手続の開始決定が出ました。

ここまで来れば、再生計画の認可までもう一息ですが、家族が集う「家」を守ってあげるためにもうひと踏ん張りしなくてはと決意を新たにしています。

2016年10月29日 > トピックス, 事件日記
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