事務所トピックス
葵法律事務所

〇月✕日

昨年中に申し立てていた医療事件の証拠保全期日がやって来ました。

前にも述べましたとおり、医療事件の証拠収集、調査においてカルテ類の入手は必要不可欠な手順なのですが、事件の内容がよほどシンプルなものでない限り、多少の費用が掛かっても、裁判所の証拠保全手続でカルテ類の確保に努めることが望ましいとはいえます。

 

ところで、今回の証拠保全においては、私たちは相手方の病院が電子カルテを導入していることを把握していました。

最近は、ある程度の規模の病院になると、電子カルテを導入していることがかなり多くなっています。

ただ、電子カルテということになると、証拠保全期日における段取りや留意点も、以前のやり方と大きく異なって来ています。

前は、代理人は記録と補助のカメラくらいを用意しておけばよかったのですが、電子カルテとなると、パソコンやDVDドライブ、ブランクのCD、DVDの持参は必須になります。

その場で、画像、映像を確認したり、病院側にダビングしてもらうこともあるからです。

さらに証拠保全の手続中のやりとりでは、かなり高い緊張感で臨まないといけなくなっています。

変な言い方になりますが、ボヤーッと病院任せにしたり、裁判所任せにしたりしていると、あっという間に終わってしまいます。

こちらが意識的に取り組まないと、保全すべき重要な情報が出て来ないままで終了なんてことになってしまうので、裁判所や病院の担当者に対してあれこれ口を挟み、パソコンの画面の向こう側に隠れている情報を引きずり出さなくてはならないのです。

ですので、以前の紙やフィルムベースで、同行した写真屋さんにパシャパシャ写真を撮ってもらう証拠保全に比べ、時間は短いのですが、緊張感を持って、パソコンの画面と向き合い、画面操作をする職員に質問をぶつけて行かないとならないので、終わった時は、本当にぐったりしてしまいます。

 

もう一つ、今回の病院の場合、どうやら自前の電子カルテを構築しているらしいという事前情報がありました(どこの電子カルテを導入しているかを調べることは、電子カルテを保全する場合に心がけておいた方がいい準備行為の一つともいえます)。

日本国内の電子カルテの最大手は、シェア的には富士通がトップだそうで、実際、証拠保全に行ってみると、わりと見覚えのある電子カルテの形式に出くわしたりするのですが、今回の病院の電子カルテが自前のものだとすると、かなり注意をしなくてはならないということもあり、正直、普段よりも緊張して手続に臨んだわけです。

電子カルテの保全については、更新履歴、更新前情報を保全するとか、スキャンで取り込んだ紙ベースのデータ(たとえば、前医からの診療情報提供書や説明同意書の類なんかがそうです)がある場合、紙ベースの原本を保全するとか、まあ、いろいろと気をつけなければならないポイントがありますが、独自の電子カルテだとすると、そのあたりの確認がすんなりできるかということもあって、病院側や、場合によっては裁判所とも揉めるという事態が起きるなんてこともあります(よくわかってないのに、仕切りたがる裁判官が相手となればなおさらです)。

 

手続を始めてみると、事前情報どおり、今回の病院は独自の電子カルテを構築していました。

しかし、予期に反して、その病院の電子カルテは、わりとオーソドックスな作りになっていて、こちらが求めた資料はさほど揉めることもなくすんなり出て来ました。

事故の過失はかなり重大だし、事故発生後に事故隠し的な対応があったので、そうしたことからも心配な点はあったのですが、電子カルテについては、病院内の連携も含めて、とても良く出来ているように思いました。

私たちもいろいろと電子カルテを見ていますが、大手の業者の作るものとそん色ないのではないかとさえ思いました(まあ、日常の医療行為の場面での使い勝手についてはわかりませんが)。

ともあれ、現場でパソコンの画面と向き合っていろいろと検証を重ねると、どうしても漏れているデータが結構出て来るわけで、こちらの質問や要求に対して、嫌な顔をされることなく丁寧に対応してくださった病院の職員の方々には感謝申し上げたいと思いました。

 

で、実は、近々、もう一件、証拠保全期日が入っています。

何かあれば、またご報告したいと思います。

2017年02月06日 > トピックス, 医療事件日記
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