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葵法律事務所

離婚事件を多く扱っている中でよく問題となるのが不動産の扱いや価格評価です。
預金や株、保険などの金融資産と異なり、不動産、特に自宅不動産は居住しているなどの事情によって処分が困難なことが多く、仮に処分が可能であっても実際の処分には時間を要することもあって、離婚手続中に不動産の処分にまでこぎつけるケースは非常に少なく、また一方が未成熟氏を抱えていて居住継続を求めているような場合には、その点を含めた解決が必要になることも少なくありません。
このうち、不動産の価格評価については、双方が査定を行い、それをもとに金額的な評価につき合意するか、あるいは裁判所が提出証拠をもとに価格を評価するというやり方が通常行われています。
もちろん、厳密にいえば、不動産鑑定士に依頼して鑑定を行って決めるという方法もあるのですが、費用や時間がかかることから、双方が依頼した不動産業者の査定を対比しながら決めて行くケースが多いといえます。
ここしばらくの間に当事務所で扱った離婚事件の中で、不動産の評価や扱いで知恵を絞った案件がいくつもありますので、取り上げてみたいと思います。

原告被告の双方が依頼した不動産業者の査定を基礎にと申し上げましたが、どうしても低
査定額の方が有利な側と高い査定額の方が有利な側という事情があるので(通常は住み続ける側が低めの査定を出してくることが多いといえます)、査定額にかなりの開きが生じることがままあります。
裁判所は、双方の中間値を取ってくることが多いのですが、中には、一方の査定があまりに不合理な場合もあって、シンプルに中間値とは行かないこともあるわけです。
その場合は、査定の根拠を検証してその不合理性を指摘することは不可欠となります。

査定についてですが、不動産は価格の変動が結構激しいので、離婚事件を扱っている際にも気を付けるべきことがあります。
実際に扱ったある事件でのお話ですが、3年ほど前に査定を取って裁判所に査定書を提出していたところ、相手方の代理人が降りるなどして訴訟が長引いてしまったので、念のためと思い、査定を取り直してみたところ、価格が1000万円以上上昇していたということがありました。
他にも、やはり協議が長引いている離婚の交渉事件で、その間に不動産価格が2000万円以上も上がっていたということもあります。
特に、マンションなどは同種の売却事例が出ているので、価格の上下が非常にわかりやすく、査定の根拠もわりと明確ですから、ある程度時間が経過している場合には、査定の見直しは必須といえるでしょう。
もっとも、今は不動産価格が全体的には上昇傾向ですのでよいですが、バブル崩壊やリーマンショックのような時期にあたると、時間をかければかけるほど、当事者双方にとって不幸な結果になってしまうこともあります。
弁護士は株の予想屋ではありませんし、景気の動向を見極めることは実際には難しいことではありますが、ある程度、経済情勢を見ながら、依頼者にとって有利な結論を導いてあげるように心がけるべきです。

査定評価については、どうしても双方の査定が乖離しており、双方の中間値を取ることも不合理だと感じる場合もあります。
そのような場合には、前述したように、裁判所の手続で鑑定を実施するという選択もありますが、もう一つ、不動産については共有にするという判決を求めるという対応もあります。
共有となった場合には、第二ラウンドで、共有物分割請求という手続を取ることになりますが、他の財産分与は終えているので、家庭裁判所ではなく、シンプルに地方裁判所で共有物の分割を求めて行くことになります。
その場合、現物分割が困難な場合は、価格賠償か任意売却、それらが難しければ最終手段として競売という手続が取られることになります。
もう一度裁判をやると聞くと大変なように感じるかもしれませんが、共有物分割請求は、他の考慮要素があまりないので、離婚のような感情的なやりとりはなく、早期に決着が図りやすいという利点があります。

他にも、離婚の財産分与における不動産の取り扱いについては苦労することも多くあります。
たとえば、最近和解で終えた事件では、お子さんたちの就学の関係で、居住期間を長く認めてもらうことで合意に至り、その結果、処分時期がかなり先になるのですが、その時点での処分価格に対する財産分与割合を決めるという合意をしたのですが、こうした解決のあり方に関する工夫なんかは弁護士の知恵の絞りどころでもあります。

いずれにしても、離婚事件について不動産をどう扱い、どのように評価するかは、当事者にとって今後の生活設計に大きく影響しますので、弁護士とよく相談しながら決断していくことが肝要です。
ぜひ参考にしてください。

2026年02月19日 > トピックス, 事件日記
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